時計
週末の土曜日、何かの作業をしていたら、さっき見た時計の針が進んでいない。
遠方からご来店のお客さまとの約束があったから、少し焦ったが、ちょうどそこにご本人が現れた。
その日はそのままバタバタし、翌日、裏の時計屋に行ったら、日曜日で閉まっていた。
ネクタイとか傘とか、そういうのが嫌で堅気の世界に入ることなくこの業界で生きているが、やっぱり邪魔くさい時計も、いくつも買ったが飲み屋に忘れるばかりだった。そして、飲み屋では必ず出てこない。
今使っている時計は、大したものではないが、なぜか肌にあってそこそこ長く使っている。
大汗をかく時でないと、外してその辺に置いたりすることがないからなくすことがない。
で、今、一番頼りにしているのが、週に2度、鍼灸治療院に通う時だ。
地下鉄の駅まで自転車を走らせ、京急線で「青物横丁」まで行くが、その何分の電車に乗れるかが、腕にはめた時計にかかっている。
駐輪場から駅まで約4分かかる。電車はきっちり来るから1分1秒が生命線だ。
5分間隔で来るこの電車を1本乗り遅れると、診察開始が9時なのに、1時間前から並ぶ地元のご隠居さんたちに負ける。